中日新聞 朝刊 中日くらし友の会 「寄り添う」より
一人暮らしの義姉が老人病院に入院したのは、85歳の時だった。
これでゆっくり治療ができると、介護問題に無知だった私はひと安心したが、
一つの病院にずっといられないことがわかった。
老人介護施設のお世話になりながら、区役所のおかげで3年後やっと特別養護老人ホームに
入ることができた。
ホームで7年間お世話になった義姉が突然倒れ、救急車で病院に運ばれた。
脳出血だった。昏睡状態のまま治療を受けていたが、3ヶ月ごとに転院しなくてはならない。
昏睡状態の病人をストレッチャー付きのタクシーで次の病院に運んでもらうのだ。
病院の中には、部屋代が1日12,000円かかるところもあった。
高齢者だから、医療費の自己負担額はあまり多くはないが、毎月送られてくる
医療費明細書の金額が100万円を超えていてびっくりしてしまった。
倒れて10ヵ月を迎えるころから、このままの状態で高額の治療を受けていて
意味があるだろうか、と疑問を感じるようになった。
世の中には奇跡が起きることもあるというが、そんな希望も持てないような気がした。
11ヵ月を過ぎたころ、病院の担当医のアドバイスもあって延命治療の装置を
すべて外してもらった。
それから、1週間ほどで、義姉は入院後一度も目覚めることなく95歳の生涯を閉じた。
倒れてからきっちり1年だった。
(岡本 君子さん 原文のまま)
健康太極拳指導士
スタビライゼーション・インストラクター 土田晶子
 |