運動器不安定症

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高齢化により、バランス能力および移動歩行能力の低下が生じ、閉じこもり
転倒リスクが高まった状態


運動器の機能が損なわれた状態のことで、寝たきりなど要介護になりやすい病態

従来は「年をとれば誰にでも起こる」症状として、病気とみなされることはなかった
(平成18年4月に定義)


運動器=消化器や循環器に対応する言葉で、骨や関節、筋肉、末梢(まっしょう)神経など

体を支え、動かす役割をする身体の器官

日本の平均寿命は女性・世界一、男性・世界第2位と有数の長寿国であるが

最晩年に寝たきりになる期間が国民平均6年以上に及んでいるのが現状
(日本の健康寿命も世界第1位)


健康寿命=日常生活に介護を必要としない、心身ともに自立的な状態で生存できる期間

病気やケガなどで介護状態となった期間を平均寿命から差し引いた寿命

寿命の「質(QOL)」に着目、健康に暮らせる期間
     (元気で活動的に暮らすことができる)

「運動器障害」は健康寿命に悪影響  運動器障害の予防が健康寿命の延伸に大きな役割

運動器障害が要介護では20%、要支援では28%を占めている

運動器障害はQOL(生活の質)の低下だけでなく、生命予後にも大きな影響

生命予後=生存のみを考える(例:延命が困難である、死亡する)

機能予後=機能に関する後遺症が残るかどうかを考える
     (例:後遺症が残る、治癒・回復が望めない)

頻度の高い身体自覚症状の上位全てが運動器に関係

男性で1位が腰痛、2位が肩こり
女性で1位が肩こり、2位が腰痛、3位が手足の関節痛


要介護認定
が必要になる原因について、運動器の障害(3位と5位)が関係

1位が脳血管障害(脳卒中)、2位が高齢による老衰、3位が骨折や転倒
4位が認知症、
5位が関節疾患(リウマチなど)

生活や人生の質(QOL)を高め健康寿命を延ばしていくには
運動器の障害を予防することは必要不可

運動器の特徴

消化器や循環器など他の器官と異なり、自分の意思で動かせる

使わずにいると退化して脆弱(ぜいじゃく)化(もろくて、弱くなる)する

骨や筋肉の量が減っても自覚することはないため、知らないうちに症状が進んでいる

骨粗鬆症は、転倒・骨折の危険度が高く、運動器不安定症をまねく最大要因

骨粗鬆症でも転倒・骨折しなければ、寝たきりになるのを防ぐことができる

転倒は寝たきりにつながる大腿骨頸部(だいたいこつけいぶ)骨折
     を起こす
危険度が高い

医療機関では筋力強化や関節の動きをよくする訓練により治療するが、予防はしない

活動的な毎日、軽い運動(有酸素運動)を習慣的に続けると骨密度や筋力が高まる

継続は運動器不安定症の予防に役立つので自分で実行することが大切


※QOLとは
 QOLとはquality of life(クオリティ オブ ライフ)の略 「生活・生命の質」と訳される
 WHOが1989年、癌の診断時から終末期に至る全過程にQOLを重視した医療を提唱

 当初は癌患者の活動支援の目安が、最近はより幅広く解釈
 心理・社会的な豊かさも含め、心の問題や高齢者の生き甲斐、住宅などの環境問題にも



                       健康太極拳指導士
                        スタビライゼーション・インストラクター 土田晶子